リスティング広告を出稿する際、最も重要になるのがキーワードの選定です。
これによって効果的に広告を配信できるか否かが決まると言っても過言ではありません。
また、キーワードと検索語をどの程度一致させるか(マッチタイプ)ということも、訴求したいユーザーの範囲やコストに影響を及ぼすため重要です。
今回は、リスティング広告のキーワード選定における、おすすめツールやマッチタイプについて紹介します。
1.リスティング広告とは
概要
GoogleやYahoo!といった検索エンジンに表示されるテキスト形式の広告を、リスティング広告と言います。
Googleであれば「Google広告」、Yahoo!であれば「Yahoo!広告」で提供されているサービスです。
検索ワードに関連した広告が検索結果の上部に表示され、ユーザーのニーズにアプローチできることが特徴です。
インターネットを使って調べ物をしたことがある人なら、一度は目にしたことがあると思います。
Google検索の検索エンジンシェアは世界1位で、日本においても約70%を占めています。
一方、Yahoo!検索は約20%であり、2つを合わせれば約90%です。
日本国内を対象としたリスティング広告を展開する場合、Google広告とYahoo!広告を押さえておきましょう。
リスティング広告について、基本的なことから知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。
費用と掲載順位
リスティング広告は、ユーザーがクリックした場合にのみ料金が発生する「クリック課金制」です。
検索結果に表示されるだけでは料金は発生しません。
広告主は、「○○というキーワードで検索された場合に広告を出したい、1クリック当たり
□□円まで払う」という形で入札をします。
競合他社の入札やランディングページ(広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページ)の品質に基づいて掲載順位を決定し、順位の高いものから表示されます。
2.キーワードの選び方
キーワードツールを紹介する前に、基本的なキーワードの選び方について紹介します。
軸となるキーワードを選ぶ
商品やサービスに関する、軸となるキーワードを1つ選びます。
例えば、ランニングシューズの広告を出したいのであれば、「ランニングシューズ」と決めます。
また、ほかに検索されそうな類似した言葉を書き出します。
「ジョギングシューズ」「ランニング靴」と検索される可能性もあります。
どれがよく検索されるかは、後述するキーワードツール「キーワードプランナー」で確認できます。
掛け合わせるキーワードを探す
「ランニングシューズ 安い」「ランニングシューズ 履きやすい」「ランニングシューズ レディース」など、掛け合わせるキーワードを考えます。
この時も、類似した言葉を書き出します。
掛け合わせる言葉が多すぎると検索数が減ってしまいますので、2、3語を目安に選定するとよいでしょう。
キーワードを精査する
商品やサービスのターゲットに応じてキーワードを精査し、取捨選択します。
「初心者」「安い」といったキーワードが検索されやすいからといって、熟練者用の高価なランニングシューズの広告に、そのようなキーワードを使うのは適切ではありません。
ユーザーが求めていた情報ではなく買わないばかりか、クリック数が増えて無駄なコストがかかります。
3.お勧めのキーワードツール
ここでは、お勧めのキーワードツールを紹介します。
キーワードプランナー
〈特徴〉
キーワードプランナーは、Google広告を利用していれば使えます。
キーワードの「検索ボリューム」「キーワードの競合性」を調べることで、集客が見込めるかどうかを判断する材料になります。
また、自社のWebサイトや軸となるキーワードを基に、関連する新しいキーワードを見つけることもできます。
〈費用〉
Google広告を利用していれば無料です。
Yahoo!キーワードアドバイスツール
〈特徴〉
Yahoo!広告を利用していれば使えるツールです。
条件を入力すると関連するキーワードの候補を挙げてくれる上、キーワードの「検索ボリューム」「競合性」を調べ、見込まれる成果を事前に判断できます。
また、「属性別検索割合機能」を利用すれば、そのキーワードがどのような属性に有効かがわかる機能を備えています。
〈費用〉
Yahoo!広告を利用していれば無料です。
Google Search Console
〈特徴〉
SEOツールとして知られるGoogle Search Consoleですが、リスティング広告の運用に生かすこともできます。
どのようなキーワードで自社のWebサイトに訪問しているかを確認し、そのキーワードを基にリスティング広告を出稿すれば、新たなアプローチが可能になります。
〈費用〉
無料です。
4.3つのマッチタイプ
リスティング広告では、キーワードの選定だけでなく、検索語とどの程度一致させるかも重要なポイントです。ここでは、キーワードのマッチタイプについて説明します。
キーワードの類似パターン
マッチタイプについて説明する前に、キーワードの類似パターンについて触れておきます。
すべてのマッチタイプにおいて、キーワードとの関連性がとても高く、同じ内容だと判断される検索語であれば、広告が表示されることになっています。
例えば、「犬、イヌ、いぬ」といった表記のゆれ、「PC、パソコン」といった略語、「靴 女性用」「女性用 靴」といった語順違い、「女性用の靴」など検索の意図に影響のない語の追加など、意味が変わらないものであれば問題ありません。
完全一致
検索語が設定したキーワードとすべて一致する、あるいは、類似パターンに当てはまる場合に広告が表示されます。
例:[靴 女性用]
※完全一致で入稿する場合は[ ]を付けます。
マッチする例
- 靴 女性用
- 女性用 靴
- 靴 レディース
マッチしない例
- 靴 女性用 おすすめ
- 靴 男性用
想定しているターゲットにピンポイントで訴求でき、コストを抑えられることがメリットです。
しかし、想定したターゲット以外に訴求できないため、機会喪失の可能性が高くなることがデメリットとなります。
フレーズ一致
検索語が設定したキーワードと同じ意味の内容である場合に広告が表示されます。
例:“靴 女性用”
※フレーズ一致で入稿する場合は“ ”を付けます。
マッチする例
- 靴 女性用
- 靴 女性用 夏用
マッチしない例
- 靴販売店 女性 求人
完全一致に比べて、検索語の範囲が広がることがメリットです。
部分一致
検索語が設定したキーワードと関連性が高いと判断された場合に広告が表示されます。
また、ユーザーが最近検索した内容も反映されることがあります。
例:靴 女性用
※部分一致で入稿する場合は何も付けません。
マッチする例
- 女性に人気の靴
- レディースシューズ
検索語に設定したキーワードが含まれていなくても、関連していれば広告は表示されます。
ほかのマッチタイプと比較して広告が表示される頻度が高くなるため、幅広いユーザーに訴求できることがメリットです。
その反面、購買意欲の低いユーザーによるクリックが増え、コストがかさむ可能性が高くなります。
その対策として広告が表示された検索語のチェック、除外キーワードの検討・設定という作業を頻回に行うことになり、手間がかかることがデメリットです。
※本文中に示した例はあくまで例であり、実際の結果とは異なる可能性があります。
5.まとめ
リスティング広告では、広告を届けたいターゲットを十分に分析してキーワードを選定し、マッチタイプを選択することが何より重要です。
キーワードツールも使いながら、効率的に広告を運用していきましょう。
編集者・ライター
フリーの編集者。書籍や情報誌などのデザインを携わる。主に看護・介護業界の情報誌の編集に携わり、グルメ・カルチャー・スポーツのジャンルの編集の経験あり。