色のユニバーサルデザイン②色覚タイプによる色の見え方

色のユニバーサルデザイン②
色覚タイプによる色の見え方

デザインコラム 【連載 vol.08】

前回のコラムで、色の見え方(色覚)には個人差があり、色を区別するのが難しい人がいることをご紹介しました。

色のユニバーサルデザイン①色の見え方の多様性を知ろう

色覚の多様性に対応したデザインをするには、色弱や色覚異常と言われる色覚での見え方を知る必要があります。
今回は、色覚異常のタイプの中でも特に多い、1型色覚と2型色覚の見え方について詳しくご紹介します。

色覚タイプによる色の見え方

前回のコラムで紹介した色覚タイプを大きく分類すると、

・3色覚:3種類の錐体に機能不全がない色覚(正常色覚)
・1型色覚:赤い光に感度が高いL錐体に異常がある色覚
・2型色覚:緑の光に感度が高いM錐体に異常がある色覚
・3型色覚:青い光に感度が高いS錐体を持っていない、機能していない色覚
・1色覚:L錐体、M錐体、S錐体にうちひとつの錐体しか機能していない、もしくはどの錐体も機能していない色覚

の5種類で、色覚異常と呼ばれる色覚は、下の4つの色覚になります。
その中でも、1型色覚と2型色覚が色覚異常のほとんどを占めており、3型色覚と1色覚の人はとても少ないです。
そのため、今回は1型色覚と2型色覚の色の見え方について詳しくご紹介します。

1型色覚と2型色覚の見え方

L錐体とM錐体の役割

前回のコラムでも紹介しましたが、色は眼の網膜にある視細胞の錐体細胞で光が信号に変換され、それが脳に行くことによって判断されています。
この錐体細胞にはL錐体、M錐体、S錐体があり、この3つの錐体の反応が組み合わさって色が生じています。

この中で、L錐体とM錐体の反応が、赤色か緑色なのかの感覚に関わってきます。
L錐体の反応がM錐体の反応に比べて大きければ赤みが強く、M錐体の反応がL錐体の反応より大きければ緑みが強くなります。
ふたつの錐体の反応を比べなければ、赤色か緑色なのかの感覚は生まれません。

そのため、L錐体とM錐体のいずれかひとつが機能していない、1型2色覚と2型2色覚は、L錐体とM錐体の比較ができないため赤みと緑みの感覚が生まれません。
また、いずれか片方の感度がもうひとつの感度に近い、1型3色覚と2型3色覚は、L錐体とM錐体の反応の差が大多数の人(正常色覚)よりも小さいため、赤みと緑みの反応が弱くなります。
(黄みと青みの感覚については問題ありません)

1型色覚と2型色覚の色の見え方

1型色覚と2型色覚の人が区別しにくい色

1型色覚と2型色覚、どちらも赤みと緑みを感じにくいため、区別しにくい色が似ていますが、いくつか違いもあります。

1型色覚と2型色覚の人は、明度が1番高い黄色を上にした色相環で左右に並ぶ色の組み合わせが区別しにくいとされています。
「赤」と「緑」、「橙」と「黄緑」、「紫」と「青」のように、明度が同じくらいの色の組み合わせには要注意です。

無彩色との組み合わせでは、「ピンク」と「白」、「赤」と「黒」などの組み合わせが混同されやすいです。

区別しにくい色の組み合わせ

3型色覚と1色覚の見え方

3型色覚は、黄色と青色の区別がつきにくいです。
しかし、黄系の色は明度が高く、青系の色は明度が低いことが多いので、見えた色の明るさをもとに黄色と青色の判断がある程度できると言われています。

1色覚は、色の違いがわからず明暗のみの感覚で、モノクロで見えるイメージになります。

誤認しやすい色

色覚タイプの違いによって、色(色名)の認識にズレが起こることを色誤認と言います。
例えば、赤色と緑色を区別しにくい人が「赤色」だと思って買った服が、他の人から「緑色」だと言われて緑色だと気づくなどです。

色誤認の傾向の例

色誤認は、このような条件下でより起こりやすくなります。

・対象が小さい、遠くにある
・色の彩度が低い
・天気が悪い、照明が暗い
・短い時間で区別しなければならない
・急いでいる、先入観を持っている、注意力が低下している
・1型3色覚・2型3色覚よりも、1型2色覚・2型2色覚

まとめ

今回は、色覚タイプによる色の見え方についてご紹介しました。
簡単に内容をまとめました。

  • 1型2色覚と2型2色覚は、赤みと緑みの反応がない。もしくは弱くなる
  • 1型2色覚と2型2色覚の人は、明度が同程度の色の組み合わせが区別しにくい
  • 色覚タイプの違いによって、色(色名)の認識にズレが起こることを色誤認という

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次回のコラムでは、1型色覚と2型色覚の人の見え方でも情報を正しく伝えるデザインの方法や、色誤認をできるだけなくす配色についてご紹介します。

今回ご紹介した色覚タイプによる色の見え方を知ることで、ユニバーサルデザインを考える一歩になると思います。これからの制作でぜひ役立ててください。