「辞めたい社員は辞めさせろ」社員は辞めて当たり前という考え方

運会計士の「目から鱗」経営【連載 第5回】

経営とは「人を通して事を成すこと」なので、人との関わりは避けて通れません。人に関しては採用・教育・評価・退職などさまざまな課題があります。その中でも、特に退職の時に多くの問題が発生します。

会社を退職する社員にはさまざまな理由があると思います。
「今の仕事が合わない」「家族の都合で」「人間関係がうまくいかない」「会社の方針が合わない」「給料が安過ぎる」「仕事がハード過ぎる」など、私も多くの退職理由を聞いてきました。

「代表ちょっとお話が…」と言われると、いつもドキッとします。「辞めたい」と言うんじゃないのかなと予想すると、やはり辞めたいと言われたことが何十回とありました。

以前は言われる度に心がえぐられるような気持ちになり傷ついていました。

なぜ傷つくかというと、どんな退職理由を言われたとしても「代表の経営が嫌いだから辞めたい」と言われているように感じてしまっていたからです。これは私だけでなく、多くの経営者の方々も経験していることではないかと思います。

経営者として経験の浅い頃は、辞めると言ってきた社員をなだめて引き止めていましたが、いったん引き止めることができても、いずれまた辞めたいと言ってきます。

そこで、最近では辞めたいと言ってきたら、「どうぞ、いつでも辞めてください」と言います。でも、本当は腹の中では「お前なんか明日から来るな!!」と思っています。
だから、社員が辞めたいと言ってきたら決して引き止めずに、「いつでも辞めてください」と言ってみてください。辞めていく社員はあなたの経営の仕方が気に入らないのですから。

さらに大事なことは、優秀な社員・優秀でない社員、どんな社員でも「社員は辞めるもんだ」と常に思うことです。
そうすれば傷つかなくて済みますよ。
そして、「社員はいつでも辞めるもんだ」と思っていると、残ってくれている社員に感謝できるようになります。

社員は辞めなくて当たり前という考え方を、社員は辞めて当たり前というふうに変えてみましょう。

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