「幸福度」=遺伝子+状況+習慣
~幸福度を高めましょう~

ビジネス こころと体の健康増進室【 連載 FILE 010 】

幸福度を決定している要素

「あなたの幸せを決めているものは何ですか?」という質問に、皆さんは何と答えますか?
私たちの「幸福度」の50%は、なんと「遺伝子」によって決まってしまっているそうです。
具体的には、幸福の遺伝子と呼ばれる5−HTTという遺伝子が、幸福度を決定しているというのです。

多くの人が「幸せ」かどうかを判断する際、やはり経済的な問題や自分の職業、あるいは自分の置かれた境遇を幸福の尺度に乗せがちですね。
しかし、そういった経済的な状況は、幸福度のわずか10%しか決めていないのだそうです。
例えば、「お金がなくてしんどいな〜」とか、「やりたい仕事ができなくて悲しいな~」という状況は、実は数少ない10%の幸福度にしか目を向けていないために起こるのです。

残りの40%、つまり収入に対する4倍以上の幸福を決めているものは「行動」なのです。
人間は、自分の行動に対して幸福を感じることが分かっています。

これらのことから、誰かから与えられた物やお金、一般的な成功モデルになぞらえた地位や知識を持つことで一定の満足は得られますが、心からの幸せを感じるわけではないというのは納得できます。
世間体よりも自身の生き方を選び、公正な方法で行動を起こし、欲張り過ぎず、多くの人と関係を築き、世の中や人々の幸せに貢献することで、自身の幸福度も高まるのではないでしょうか。

何かを与えられることで感じる「満足感」に対し、「幸福感」は自分で獲得するものなのです。

幸福を感じることでパフォーマンスが上がる

ショーン・エイカー氏は、ハーバード大学で学生に最も人気のある講座を持つポジティブ心理学の第一人者です。
エイカー氏は「もっと頑張って成功すれば幸せになれる」という考えを否定しています。
なぜなら、何かを達成した時点で、人はもう次の目標に魅力を感じて「もっとよい仕事をして、もっとよい成績を出さなければ」と考えるため、満足感は持続しないからです。
大切なのは、「今の自分が幸せを感じているかどうか」なのです。

そしてエイカー氏は〝幸せは「成功に先行する」のであり、単なる「成功の結果」ではない。
幸福感そのものが競争力の源泉となる〞と言っています。
多くの人は、仕事や人生に成功して「幸福」になると考えるでしょうが、実際の因果関係は全く逆なのです。
「幸福」を感じることで脳のパフォーマンスを高め、仕事のパフォーマンスも上がるということが研究結果によって実証されています。
目の前の小さな幸福を感じることで、誰でも幸せになれるし、誰でも成功できるのです。

小さな幸せを感じるためのポイント

1.ありがとうを伝えましょう
2.まずはやってみましょう
3.何とかなる! と思いましょう
4.ありのままを受け入れましょう


マジョリティ(多数派)やマイノリティ(少数派)を区別せず、あらゆるすべての人を含んだ心の見方で、 多種多様な人を受け入れながらつながっていくことが、私たち一人ひとりの「幸福」につながっていくのではないでしょうか。

「幸福」は感染し循環していきます。自分の中で「幸福」を循環させながら、人生を楽しみ幸せになりましょう。そして、「自分」「取り巻く環境や人」「将来のビジョン」をポジティブに捉えながら、自分なりの絶対的幸福感を追求していきましょう。