「わかりやすい貸借対照表の読み方」会社の健全な資金調達や資金運用

運会計士の「目から鱗」経営【連載 第4回】

今回は、貸借対照表の読み方についてわかりやすくお伝えします。

貸借対照表はバランスシートと呼ばれるように、左側と右側の合計が必ず一致します。右側の合計は会社が調達した資金、左側は調達した資金の運用を表しています。

資金の調達方法には、借金(負債)、出資 (資本金)、利益の3つがあります。

借金は返済しなければならないので限界があります。出資も上場会社でなければ限界があります。
利益は自社で稼ぐので限界はないのです。そのため、利益による資金調達が最も健全なのです。資金が枯渇すると会社は倒産するので、利益を大きくして資金調達するのは当たり前です。

また、貸借対照表の項目の並び順にも意味があります。右側は上から支払手形、買掛金、借入金、資本金、利益剰余金、当期未処分利益 となっています。これは危険な資金調達の順に並んでいます。
つまり、右上の負債の支払手形が最も危険で、右下の利益が最も安全なのです。

一方、左側の資金の運用も並び順に意味があります。左の一番上は会社の命とも言える資金である現金・預金があります。受取手形、売掛金、在庫、建物、無形固定資産、保険積立金 となっています。

この並び方は、会社の命である資金が左側の一番上にあって、下へいくほど資金からの時間的な距離が遠くなっていきます。つまり、下へいけばいくほど資金化するのに時間がかかるのです。

最終的な結論としては、右側の資金調達は右下の利益が大きく、左側の資金運用は左上の現金・預金が多い会社が健全ということです。
ちなみに節税は、左上の現金・預金を使って(減らして)、右下の利益を小さくして税金を安くする方法です。節税は会社にとって健全とは言えません。

以上のような観点からあなたの会社の貸借対照表を見てみると、意外な発見があるかも?