経営者だからこそ最期を考え、幸せな1%を迎えたい。

最期の1%まで幸せに生きる【 連載 No.8 】

経営者にもしものことがあった時の影響

経営者は自分のことだけを考えていては、きっと最期の1%を幸せに迎えられないでしょう。
その理由の一つとして、経営者には人との関わりが多く、責任を持つ人数や影響がとても大きいからです。
自分の家族だけでなく社員やその家族、そして会社の取引先にも関係してきます。

どれだけ準備万端にしていても、完璧に準備するのは難しい部分があります。
だからこそ、いろいろなことを想定したりイメージしたりしておくことが大切になります。

私も想定やイメージがまだまだ甘いなぁ! と感じます。
ただし、準備を全くしていない経営者よりは、困ることを少なくしてあります。

急に私に何かあった場合、家族にはほぼ万全にエンディングノートでメッセージを伝えてあります。
しかし、会社はまだまだのところがたくさんあります。

例えば私の場合、社員が50人、その家族が少なく見積って3人、合計で150人に対して責任があります。
また、私は福祉や保育事業を行っていますので、150人以上その家族となると…すごい人数になります。

現在の中小企業の課題

私に何かあっても、取りあえずの事業運営はなされていくでしょう。
しかし、さまざまな手続き関係や不動産、借入や事業承継問題、まだまだ無数の思いもよらぬことが潜んでいると思います。

近年、中小企業においては、事業承継が大きな課題です。
M&Aが多くなっている大きな要因に、継承者がいないことが挙げられます。
一言でM&Aと言っても、成功させるには大変な時間がかかりますので、M&Aの話が出ている場合は、そこも踏まえて考える必要があります。

「経営者だから相続をしっかりしておけば大丈夫」というわけではありません。もちろん、相続も大切ですが、それだけではスムーズにいかないでしょう。

また、自分が手塩に掛けて築いた会社が全く違う方向に転換して、たやすく変化してしまうと、私は残念な気持ちになります。

普段から備えておくこと

常日頃から、社長としてこれだけは引き継いでもらいたいと思うこと、また、変えていってもらいたいことなどを伝えておくことがとても大切です。
そして、整理整頓をして、どこに何があるかをはっきりさせておく必要があります。
会社の自分の持ち物や引き出し、戸棚などは分かりやすく整理してありますか?

また、専門家に何をお願いしてあるか? 
自分に何かあれば、誰に伝えてほしいのか?など、会社としての付き合いは家族に分からないこともたくさんあります。
会社として、伝えるべきことがあるはずです。
相手のことを考えて準備することが必要です。誰に何をお願いして、どうするのかを考えておかないと、取引先とのトラブルや信用問題につながるなど、大変な事態になります。

1つの家族単位でも3件に1件は何らかのことでトラブルになり、仲が良かった親族がバラバラになることも多いのです。
会社となったらなおさら、多くの人が困らないように準備をすることは、経営者の大切な大切な役目だと思います。

エンディングサポーターが寄り添います

何をどう準備すればよいか? 全体像として分からないことがたくさんあると思います。
分からない人のために、私たちエンディングサポーターがいます。
寄り添って一緒に考えていきます。
きっと、違う視点からいろいろな気づきが得られるはずです。
最期の1%を幸せに生きることを目指しましょう。