企業内にある膨大な量のデータを集約して分析し、可視化してくれるBIツール。BIツールは実にさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。
「BIツールの導入を検討しているが、どのようなものがあるかわからない」と考えている人もいるかもしれません。十分に検討し、自社に合ったものを選んで導入できれば、迅速な経営判断や業務効率化につながります。
今回は、BIツールのおすすめ製品20選を徹底比較し、一覧でご紹介します。
1.BIツールとは
BI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)ツールとは、企業に蓄積された大量のデータから必要なものを収集して分析し、視覚的にわかりやすく表示するツールのことです。
最近は、ITビッグデータを活用する企業が増えており、従来の表計算ツールでは不正確になったり、データ分析の専門的な知識が必要になるなど、コストの発生や作業の煩雑さが生じていました。
このような課題を解決し、経営の意思決定を助けるのが、BIツールです。
2.導入するメリット
1つ目に、社内データの管理のしやすさが挙げられます。Excelなどで管理さしていたデータを統合し、活用しやすくなります。
さらにデータが集約されることで、部署ごとの状況がまとめて可視化され、わかりやすくなります。
2つ目に、レポート作成の手間の軽減が挙げられます。レポート出力・デザイン機能により、これまでExcelやPowerPointなどで行っていた集計やレポート作成を、グラフを用いて視覚的にわかやすく、素早く行うことができます。
3つ目に、迅速な課題解決・経営判断が挙げられます。BIツールによる分析結果は、リアルタイムに確認することができます。また、スマートフォンなどのモバイルデバイスからアクセス・確認できます。
そのため、日々、慌ただしく動く経営者にとって、移動時間などに情報を確認できることは、迅速な課題解決・経営判断につながります。
3.BIツールおすすめ製品22選
おすすめのBIツールを紹介します。BIツールを選ぶ際の参考にしてみてください。
①Google データポータル
Google社が提供するダッシュボードの作成、データを視覚化するBIツールです。
Googleアナリティクス、Google広告、Google BigQueryといったGoogle内のデータを1カ所に集約し、さまざまな角度でデータを分析できます。
②Domo
データ集約、ビジュアライゼーション、ダッシュボード、データウェアハウス、BIを網羅したビジネス管理プラットフォームです。
さまざまなソースのデータを統合できる上、大量のデータを高速で配信できます。また、あらゆる業界・業種別のソリューションを提供しています。
③Salesforce Analytics
Salesforceが提供するBIソフトウェアです。Salesforceと直接連携し、トレンドを発見することができます。高いカスタマイズ性と拡張性を備え、AIによる相関性の発見と分析を行います。
④Microsoft Power BI
Microsoft社が提供するBIツールです。エンタープライズデータ(企業内の全ユーザーが部門間または地域間で共有するデータ)からインサイト(潜在ニーズ)を導き出すことで、より優れた意思決定ができます。
Microsoft Azureの分析サービスとシームレスに連携することができます。
⑤Yellowfin BI
世界で200万超のユーザが利用しています。
Twitter、Google アナリティクス、Salesforce、LinkedInなど、多くの外部データを取り込めるコネクターがあります。組織体制や利用用途に合わせて、セキュリティを柔軟に設定することができます。
⑥Tableau
さまざまなデータベースに接続が可能です。また、ドラッグ&ドロップで簡単にビジュアライゼーションを作成し、ワンクリックで共有できます。
科学研究の成果を基に、高速かつ簡単に、そして直感的な分析が可能です。
⑦MotionBoard
さまざまなデータを集約し、リアルタイムに可視化できます。また、地図機能や3Dマップなど、多種多様なビジュアライズが可能です。
オンプレミス版とクラウド版の2種類があります。
⑧Qlik Sense
独自の連想エンジンにより、ユーザーはさまざまな方向性で自由にデータを探索することができます。また、データを組み合わせて読み込み、スマートなビジュアライゼーションを作成できます。
世界で5万社以上の導入実績があります。
⑨Dr.Sum
社内外に散在するデータをリアルタイムで処理できるデータベースエンジンを軸とした、集計・分析プラットフォームです。レポート作成機能には高度なデータ処理能力があり、直感的な操作が可能です。
また、10億件のデータを1秒で集計できるインメモリエンジンを備えており、素早くデータを集計し大容量のデータを収容できます。
⑩WebFOCUS
企業内外のあらゆる人に適切な情報を届ける統合BIプラットフォームです。日常業務に必要な定形レポートを作成できます。
またExcelと連携させ、ボタン一つで報告書を作成できます。もちろん、ダッシュボード機能も備えています。
⑪Actionista!
Webブラウザのみで操作可能で、プログラミング、開発環境、専用クライアントの導入は一切不要です。1ライセンスを購入すれば、企業内の全ユーザーが利用可能です。
開発から販売、サポートまで、メーカーが対応してくれます。
⑫軽技Web
データベースを構築する手間がなく、誰にでも使いやすいセルフサービスBIです。100人以上の中・大規模企業向けの製品です。
Excelで作成している月次レポートや定形帳票を簡単に作成することができ、社内共有も可能です。また、ユーザー権限を設定・制御することで、データを安全に活用できます。
⑬Sactona
管理会計・経営管理を高度化・効率化する経営管理システムです。データ入力・データ管理・データ閲覧で構成され、各部署で簡単に入力できるため、管理部門の業務効率化につながります。
また、Microsoft社のテクノロジーに準拠して開発されており、Excelを利用するため、これまでの業務フローを大きく変更する必要がありません。
⑭LaKeel BI
初めてBIツールを利用する人にも使いやすいインターフェイスです。また、業務ごとにさまざまなテンプレートが用意されています。
サーバーライセンス型なので、一定のコストで複数の部門で利用できます。メーカーが企業に合わせてダッシュボードを作成してくれるサービスもあります。
⑮GalleriaSolo
さまざまなソースのデータをダッシュボードで一元管理できます。
画面がシンプルで直感的な操作が可能です。グラフなど45種類のパーツが用意されており、データをカスタマイズして見やすくすることができます。加工したデータはJPG形式やCSV形式で出力でき、資料作成などに便利です。
Webサービスのため、インターネット環境さえあれば、どこからでもアクセスが可能です。
⑯Insight Board
サブスクリプションのビジネスに特化した課題や解決策を、わかりやすく見つけられるツールです。また、部門別になっていたデータも統合することができます。
プロフェッショナルプランでは、ビデオミーティングで担当者からアドバイスを受けられます。
⑰Sisense
データ分析ツールを目的に合わせてカスタマイズできるプラットフォームです。これにより、自社データを分析するためのアプリを構築し、自社システムに組み込むことができます。
オンプレミス版とクラウド版の2種類があります。
⑱DataNature
手軽に導入・操作することができるBIツールです。マウスだけで操作できるインターフェイスが特徴です。レイアウトなどもワンタッチで変更できます。
分析すべき対象を教えてくれるアラート機能や強調表示があり、分析結果が見やすいです。専用のデータベースは不要で、CSVファイルを用意すればデータ分析が可能です。導入までの時間が短くて済むことが特徴です。
⑲Looker
Google系列のツールであるため、Googleアナリティクス、Google広告と迅速にデータを連携することができます。
また、同じ定義の複数の箇所を変更する際、1カ所変えるだけでそれ以外の箇所やその定義に関係する項目も即時に反映されるため、データ定義の管理・メンテナンスが行いやすいです。
データの種類が多く、企業規模が大きいほどメリットを感じられますが、担当者に専門知識が求められます。
⑳MicroStrategy
組織のさまざまなデータを組み合わせて必要なデータを引き出し、レポート、ドキュメント、ダッシュボードで可視化することができる BI プラットフォームです。
ゼロクリックで必要な情報を提示させることができるHyperIntelligenceという最新のテクノロジーを活用できます。
㉑Oracle BI Cloud
誰でも簡単に素早く分析し共有できる、部門主導型のセルフサービスBIツールです。
28言語をサポートしています。データベース構造やSQL(データベース〈RDBMS〉を操作するための言語)、その他のプログラミング言語の知識は必要ありません。
㉒Data Knowledge
画面が見やすいため、BIツール初心者の方でも直観的な操作が可能です。また、ナレッジ機能や情報共有機能などを使用すれば、全社員がデータを活用でき、分析レベルの向上につながります。
4.まとめ
BIツールは、コストや手間を軽減できるツールですが、さまざまな種類があるため、導入する目的を明確化し、必要な機能を見極める必要があります。
また、使いやすさや見やすさも重要なポイントです。無料トライアルが設定されているツールもありますので、実際に使って確かめることも大切です。
編集者・ライター
フリーの編集者。書籍や情報誌などのデザインを携わる。主に看護・介護業界の情報誌の編集に携わり、グルメ・カルチャー・スポーツのジャンルの編集の経験あり。