社会で適応しながら生き抜くために、近年注目を集めているのが「復元力」「回復力」「弾力性」「反発性」という意味をもつ「レジリエンス」という力です。仕事で成果を出すために欠かせないこの力を高めるためには何をしたらいいのでしょうか。その必要性とレジリエンスを築くための10の方法を紹介します。
仕事が上手くいく人の特長とレジリエンスの必要性
仕事が上手くいく人には、「好奇心がある」「持続性がある」「柔軟性がある」「楽観性がある」「冒険心がある」という代表的な特長があります。レジリエンスの高い人(レジリエント)と仕事が上手くいく人の行動の特長は、重なる部分が多くあると言えます。過度に偏ったこだわりはもたずに、他の人の意見や新しい視点を積極的に受け入れ、変化していくことが「折れない心」を作っていくために重要なカギを握っています。
また、働く上でも「ストレス耐性を高める」「変化への適応力を身につける」「目標を達成する力を養う」などレジリエンスの向上が求められる傾向にあります。
最近では、多忙な業務や複雑な人間関係などがストレスとなり、うつ病などの精神疲労をもたらすケースが増えています。レジリエンスを強化しておけば、生き生きと働き続けることができるでしょう。また、転勤や出向など企業や組織をめぐる変化は様々です。変化のスピードは年々加速していると言っても過言ではありませんし、その変化にいちいち抵抗していては、精神疲労が増すばかりです。
レジリエンスが高い人であれば、このような目まぐるしい変化にも柔軟に対応できるでしょう。「できる人に仕事が集まる」といったことはよく聞く話ですね。役職に就き、リーダー的存在になれば、それらへのチャレンジも増えることでしょう。レジリエンスが高い人は、新しい目標に対しても前向きに取り組み、目標を実現していけるのです。
「レジリエンスを築く10の方法」
レジリエンスは、先天的な能力ではありません。今からでも身につけて、伸ばしていくことができるのです。アメリカの精神医学会で公表されている学習方法を紹介しています。
1|親戚や友人と良好な関係を維持する
2|機器やストレスに満ちた出来事でも、それを耐え難い問題として見ない
3|変えられない状況を受容する
4|現実的な目標を立てて、それに向かって進む
5|不利な状況でも、決断し行動する
6|損失を出した闘いの後には自己発見の機会を探す
7|自信を深める
8|長期的な視点を保ち、より広範な状況でストレスの多い出来事を検討する
9|希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を視覚化する
10|心身をケアし、定期的に運動し、己のニーズと気持ちに注意を払う
普段から「ネガティブな思考をポジティブ思考に変換する習慣」「柔軟な発想で復活する力」を意識する環境に置かれることでレジリエンスも高められるでしょう。
レジリエンスは、個人、企業、組織だけでなく国といった大きな組織でも必要とされている能力です。2013年に開催された世界経済フォーラムでは「競争力の高い国はレジリエンスが高い」といった報告もされています。
「企業の源泉は人である」とよく言われているように、組織としてもレジリエンスが高くなることで、結果として企業全体のレジリエンスを高めることにもつながります。自分のレジリエンスを高めることができれば、今よりもっと多くの幸せにつながる一歩を手に入れられそうな気がしませんか?「いいな」「なるほど」と思ったことを「やってみよう」にシフトチェンジできるしなやかな自分でありたいですね。
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C-POWERグループ教育訓練事業部長。教員免許保有。障害のある方が、社会の中でどのように自立して生きていくかを一緒に考え、提案・サポートをしています。
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