スタートアップ企業の成功例といえば、海外ではFacebookやGoogle、日本ではメルカリなどが挙げられます。
学生が創業することが多く、今までにない新しい事業を、大きな赤字を掘って成長させ、あっという間に世界に広め、事業を確立してから上場する、といったイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
そもそもスタートアップ企業とは何なのか?今回は日本で注目の企業20選を一覧で紹介します。
1.スタートップ企業とは
スタートアップ企業の一番の特徴は、「イノベーション」があるということです。独自の新しい考え方や技術で、人々の生活や社会にインパクトのある変革をもたらすことができるかどうかということです。
また、急成長をして短い期間で「投資回収」すること(イグジット)を狙っています。主なイグジットの方法としては、株式公開(IPO)と、企業買収(M&A)になります。資金調達はベンチャーキャピタル(VC)から行うことが多いです。
VCは事業会社や、個人投資家などから資金を集めて、その資金で「ファンド」を作り、スタートアップ企業に投資します。
個人による裁量が大きいのも特徴です。
2.世界のスタートアップ企業との比較
日本と世界のスタートアップ企業を比較すると、日本はそもそもトップ大学を出た優秀な人が起業するケースが少なかったり、起業をして失敗してしまった人に対する評価が低かったり、日本国内で資金調達できる金額が桁違いに低かったり、というような理由から世界で通用する大きな成功を収める企業がまだ少ないのが現状です。
しかし、最近では、トップ人材がスタートアップ企業を立ち上げるケースが増え、海外から大きな資金を調達する企業も増えてきています。これからの日本のスタートアップ企業の成長に注目していきたいです。
では、日本で注目のスタートアップ企業20選をご紹介します。
3.日本で注目のスタートアップ企業20選
1.再生可能エネルギー×テクノロジーで脱酸素社会を目指す≪アスエネ株式会社≫
再生可能エネルギーの電力小売サービスを展開しています。特徴としては、ブロックチェーン技術を活用した独自のトレーサビリティシステムを用いて、希望の地域や発電所を選択できます。
- 調達後評価額:13億円
- 代表者:西和田 浩平
- 設立:2019年10月2日
2.電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「Luup(ループ)」を展開する≪株式会社Luup≫
Luupが開発した電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティでシェアリング事業を展開し、日本に新しい短距離移動インフラを創ることを目標にしています。現在は、電動アシスト自転車と電動キックボードを用いたシェアリングサービスを展開中ですが、将来的には高齢者も安心して乗れる四輪モビリティなども導入していく予定です。
- 調達後評価額:67億円
- 代表者:岡井 大輝
- 設立:2018年7月30日
3.DXで不動産業界の変革に挑戦する≪株式会社TERASS≫
フリーランスの不動産エージェントを支援するプラットフォームを運営し、デジタル技術の活用で効率的に働ける環境を提供しています。また、優秀な不動産エージェントと家を買いたい人をつなぐ、家探しマッチングプラットフォームも運営しています。
- 調達後評価額:9.9億円
- 代表者:江口 亮介
- 設立:2019年4月1日
4.1円から企業へ貸付投資ができる「Funds(ファンズ)」を運営する≪ファンズ株式会社≫
「Funds(ファンズ)」は、個人が上場企業に対して、間接的に資金を貸し出す形で投資ができる貸付投資サービスです。
この新しい資産運用サービスを提供することで、未来のお金に対する不安を少しでも解消することを目標にしています。
- 調達後評価額:82億円
- 代表者:藤田 雄一郎
- 設立:2016年11月1日
5.お手伝いしながら旅できる「おてつたび」を運営する≪株式会社おてつたび≫
「おてつたび」は、地域の困りごとをお手伝いしながら旅ができるサービスです。
お手伝いをすることで報酬が得られるため、旅費を軽減させることができます。
また、お手伝いを通じて地域にぐっと入り込むことで、豊かな魅力を知り、その人にとっての特別な地域になるという、新しい旅の形を提案しています。
- 調達後評価額:4.9億円
- 代表者:永岡 里菜
- 設立:2018年7月18日
6.日本最大級の音声プラットフォーム「Voicy」を開発、運営する≪株式会社Voicy≫
音声で社会をより豊かにリデザインすることを目標にして、音声テクノロジーに関する様々なビジネスを展開しています。
- 調達後評価額:38億円
- 代表者:緒方 憲太郎
- 設立:2016年2月2日
7.核融合炉に関する技術でエネルギー環境問題の根本的な解決に貢献する≪京都フュージョニアリング株式会社≫
核融合炉に関する装置の研究開発、設計、製造、装置、コンポーネントの輸出を行っています。
世界の核融合スタートアップ企業からコンポーネントの設計・試験を受注し、継続的に交換部品を製造・納品することで、核融合の商用化に貢献しています。
- 調達後評価額:6.4億円
- 代表者:長尾 昴
- 設立:2019年10月1日
8.廃棄物の収集運搬に特化したAI配車管理サービス「配車頭(ハイシャガシラ)」を展開する≪ファンファーレ株式会社≫
労働人口不足の廃棄物業界の省力化・効率化に取り組んでいます。
産廃業界に特化したAIで日々の配車管理を自動化する「配車頭(ハイシャガシラ)」を展開しています。
- 調達後評価額:11億円
- 代表者:近藤 志人
- 設立:2019年6月25日
⑨量子コンピューターで社会的課題を最適化する≪株式会社エー・スター・クォンタム≫
量子コンピュータソフトウエアの開発、提供を行っています。
特に物流分野、広告分野の組み合わせ問題を解くための研究開発に力を注いでいます。
量子計算に基づき、従来の化学では解決困難な社会的課題を最適化することにより人類の進化に貢献することを目標としています。
- 調達後評価額:10億円
- 代表者:船橋 弘路
- 設立:2018年7月4日
⑩スキマバイトサービス「タイミー」を展開する≪株式会社タイミー≫
すぐ働きたい人と、すぐ人手が欲しい企業をつなぐスキマバイトサービス「タイミー」を展開しています。
働き手は面接の必要がなく、働きたい仕事を選ぶだけで、空いた時間にすぐに働くことができ、仕事が終わったらすぐにお金を受け取ることがでます。企業は働いてほしい時間や求めるスキルを登録するだけで、条件に合った働き手が自動マッチングします。
働き手と企業間でそのまま直接雇用契約を結ぶこともできます。
- 調達後評価額:106億円
- 代表者:小川 嶺
- 設立:2017年8月23日
11.ヒトと計算機の共生ソフトウェア基盤を構築する≪ピクシーダストテクノロジーズ株式会社≫
さまざまな日本の課題をテクノロジーで解決するために、ヒトと計算機の共生ソフトウェア基盤たる仕組みを構築し、自治体や企業と連携して各種プロジェクトの研究、開発をしています。
独自のセンシング技術を活用した空間データプラットフォーム「KOTOWARI」や、感染症対策BCPソリューション「magickiri」や、車いすの自動運転を実現するソリューション「xMove」など幅広い分野で開発しています。
- 調達後評価額:224億円
- 代表者:落合 陽一、村上 秦一郎
- 設立;2017年5月10日
12.最先端プロセス技術を用いて半導体の設計・開発を行う≪株式会社TRIPLE-1≫
最先端プロセス技術を用いた半導体設計開発企業
TSMC社製7nmプロセスを採用したBitcoinマイニング用ASICの最新高性能版「KAMIKAZE Ⅱ」の開発、提供をしています。
また、世界最先端5nmプロセスを採用するディープラーニング向けAIプロセッサ「GOKU」の開発を行っています。
- 調達後評価額:1,641億円
- 代表者:山口 拓也
- 設立:2016年11月1日
13.法定通貨の安全性の高いDXプラットフォームを開発・運営している≪GVE株式会社≫
CBDCプラットフォームおよび外貨準備高ユニオンプラットフォームを主力事業として展開しています。中央銀行が発行するデジタル通貨の基盤となる安全性の高い「EXC」を使ったキャッシュレス決済のシステム、電子カルテプラットフォームを開発しています。
- 調達後評価額:560億円
- 代表者:房 広治、日下部 佑
- 設立:2017年11月10日
14.モノづくり産業で調達分野のイノベーションを起こす≪キャディ株式会社≫
金属加工製品の自動見積・受発注プラットフォーム「CADDi(キャディ)」の運営をしています。独自で開発した原価計算アルゴリズムに則った自動見積システムによって、全国の加工会社と特注品の発注者をマッチングします。「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」を目標に掲げています。
- 調達後評価額:43億円
- 代表者:加藤 勇志郎
- 設立:2017年11月9日
15.フリーランスの資金繰りをサポート≪yup株式会社≫
フリーランス向け報酬即日払いサービス「先払い」を提供しています。フリーランスで働く人々の資金繰りに悩む時間をなくすことで、新しい挑戦に専念できるようサポートします。
- 調達後評価額:6.2億円
- 代表者:阪井 優
- 設立:2019年2月
16.フードデリバリー・テイクアウトアプリ「menu」を運営する≪menu株式会社≫
フードデリバリー・テイクアウトアプリ「menu」を通じて、お客様の注文を飲食店に伝え、飲食店と配達員のマッチングを行うフードデリバリー事業を展開しています。
配達員がどこにいるのかマップ上で確認でき、到着時間の目安が分かり、口コミを見て近くの名店を探すこともできます。
- 調達後評価額:250億円
- 代表者:渡邉 真
- 設立:2018年10月2日
17.光超音波イメージング技術で被ばくがない3D撮影装置を開発≪株式会社Luxonus≫
光と超音波を融合した光超音波イメージング技術を用いて、被ばくがなく安全、簡単、便利に超高解像度3D画像を撮影できる画像診断装置を開発しています。
キャノン、京都大学、慶應義塾大学などが共同して設立したスタートアップ企業で、将来の医療に革新をもたらすことが期待されています。
- 調達後評価額:18億円
- 代表者:相磯 貞和
- 設立:2018年12月11日
18.革新的デジタルキーテクノロジー「ビットキー」を開発、運営する≪株式会社ビットキー≫
ID連携・認証と権利処理のデジタルプラットフォーム「bitkey platform(ビットキープラットフォーム)」を開発し、運営しています。
Home/Workspace/Experience領域においてbitkey platformを応用したスマートロック「bitlockシリーズ」を展開しています。
テクノロジーの力であらゆるものを安全で便利で気持ちよく「つなげる」ことを目標に掲げています。
- 調達後評価額:550億円
- 代表者:江尻 祐樹、福澤 匡規、寳槻 昌則
- 設立:2018年5月16日
19.農業の抱える課題に挑む≪株式会社ビビッドガーデン≫
個人や飲食店に“直接”商品を販売できるプラットフォームを提供するスタートアップ企業です。産地直送の農作物をオンラインで購入できる「食べチョク」、飲食店に合わせてコンシェルジュ提案の“農家直送”食材を取り寄せられる「食べチョクPro」を提供し、「生産者のこだわりが正当に評価される世界へ」を目標に掲げています。
- 調達後評価額:30億円
- 代表者:秋元 里奈
- 設立:2016年11月29日
20.AIを用いた学習システム「atama+(アタマプラス)」を提供する≪atama plus株式会社≫
最先端のテクノロジーで、一人ひとりに最適な「自分専用カリキュラム」を提供
する、中高生向けのタブレット教材「atama+」を開発し、全国の塾や予備校に提供しています。
「基礎学習」の習得にかかる時間を短くし、その分「社会でいきる力」を養う時間を増やすことを目標に掲げています。
- 調達後評価額:510億円
- 代表者:稲田 大輔
- 設立:2017年4月3日
4.まとめ
設立5年以内の、日本で注目のスタートアップ企業20選をご紹介しました。
どの企業も、それぞれの革新的なアイディアや技術で新しい価値を生み出し、人々の生活や社会を発展させていくための目標を掲げて、大きく成長を続けています。
今後の「世界で戦える日本発のスタートアップ企業」の出現に期待したいものです。
参照:INITIAL
OHACO編集/ライター
約20年勤務した大手銀行を退職後、WEBデザイン/プログラミングを学ぶ。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。現在では WEBサイト運営・管理から、ビジネス記事のライティングを行う。