リカバリープラン「WRAP」とは? 自分で自分をデザインする生活を送ろう

ビジネス こころと体の健康増進室【 連載 FILE 001 】

みなさんにとって、「自分が元気になれるもの」は何ですか? それによってどんな気分になりますか?

ライフスタイルの変化や先の見えない不安感で、知らず知らずのうちに疲れが溜まっていたり、マスクの中では口角が下がったりしている自分に気付くことはありませんか? 今回は、自ら作る「自分のためのリカバリープラン」の「WRAP(ラップ)」を紹介します。

自分のためのリカバリープラン「WRAP」

「WRAP(ラップ)」とは、Wellness(元気)、Recovery(回復)、Action(行動)、Plan(プラン)の頭文字を取ったもので、毎日を元気で豊かに生きることや、気分を乱すような状況への気付きを高め、調子が悪くなったときに回復を促す行動プランのことです。

WRAPは精神的な困難を抱えた人が健康であり続けるための知恵や工夫を蓄積して作られたセルフヘルプツールですが、自分のためのリカバリープランとして誰でも活用できます。

まず、「このような時にはこうする」と対処法を細かく決め、具体的な行動リストを書き出し、自分だけのプランを作っていきます。自分で考えるだけでなく周囲の意見をもらうことで、より現実的なプランを作ることができます。

≪具体的な行動プラン≫

  • 元気な状態が維持されるような規則正しい生活習慣を作成する
  • 不快な気分や行動を把握し、気分が良くなるための行動プランを作成する
  • 気分が悪く、自分自身で物事を決めることができない場合に、他の人に何をして欲しいかあらかじめ伝えておく

このようにWRAPは、自分に合った対処の仕方によって辛い症状を軽減したり、予防したりする実践プランで、生きやすさを促す方法の1つです。元々は、心の障害によって将来を諦めてしまう人に向け、自身で自分のことをしっかり見つめ、「準備する」ために活用されていたもの。しかし、こういった「準備」は、障害の有無にかかわらず、誰にでも、どんな状況においても生かせることです。

例えば「雨に濡れたままにしておくと風邪をひきやすい」という状況で考えてみましょう。

「雨に濡れないように傘をさす」「雨に濡れてもいいようにタオルを準備する」「雨に濡れて体が冷えたら温かいお風呂にゆっくり浸かる」「レインコートと傘を両方使う」「そもそも雨降りの日は出かけない」など、人それぞれの準備や対策がありますよね。それと同じなのです。どういった場合に自分がどうなるかを考え、そのためのプランを考えていきましょう。

成長しながら元気で豊かな暮らしを実践していくために必要な5つの要素

では、成長しながら元気で豊かな暮らしを実践していくために必要な5つの要素を紹介します。

①希望
希望は、心の太陽です。目標に向かって前進し「達成できる」と考え、将来に対して悲観的にならないことが大切です。

②責任
責任を持つというのは、「自分で選択する」という責任を引き受けることで、人生の主導権を自分の手に取り戻すこと。どうしたいかを人に決めてもらうのではなく、自分で決めて実行することです。自分自身が「自分の専門家」であり、自身の健康や生活に対して責任を持つことが重要なのです。

③学び
知ること、学ぶことで、自分にとって適切な決定をすることができます。

④権利擁護
自分を知り、目標を設定し、それに向かって前進する。そのために必要としていることを、勇気を持って冷静に声にし、周りの人たちと対話することで自分の権利を守っていきます。

⑤サポート
自分が必要とするサポートを自ら手を伸ばして得ることだけでなく、お互いがお互いの力になるような関係性を育むことが大切です。

WRAPを活用し、これら5つの要素を意識して暮らしていきましょう。また、自分らしく生活をアレンジしながら、元気に過ごすためのコト・モノを持っておくといいですね。例えば、こんなものがあります。

  • 自分の好きなもの・好きな場所
  • 癒されるもの・安心するもの
  • 元気にしてくれるもの
  • 健康のために体にいいもの
  • リフレッシュできること
  • 手を抜くこと
  • しない方がいいこと

自分は何をして、何をしないことがいいのかじっくり考えてみましょう。不安な時、苦しい時に、周りの人にどうしてほしいかを考えると、自分にも周りの人にも優しくなれるかもしれません。元気になるために役立つコトやモノを使いこなし、調子が良い時にも、あまりよくない時にも、いつでも自力で「いい感じの自分」に戻せるといいですね。

いい感じの自分、調子がよくない時の自分は、どんな時にどんな変化が起きているか、なぜ調子を崩してしまったか、きっかけや前兆があったか、どうしたら調子を取り戻せるかを知ると、自分を上手に取り扱えるようになると思います。あらゆるライフステージを自由に輝きながら生きることができる自分でいたいものです。

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