リフレーミングとは 視点を変えてみよう

「リフレーミング(reframing)」とは、心理カウンセリングで使われている方法のひとつです。物事を見る枠組み(フレーム)を変え、別の枠組みで見直すこと(リフレーム)を意味します。
つまり「視点を変える」ということです。
リフレーミングには、「水が半分くらいまで入ったコップ」を題材にした有名な例があります。

フレームAの視点だと「半分しか入っていない」と思う。
フレームBの視点だと「半分も入っている」と思う。

このように視点を変えることで、物事の感じ方は大きく変わります。

他にも次のようにマイナスイメージのことに対して
視点を変えてみると感じ方が変わりますね。

  • 口下手 → 聞き上手
  • 飽きっぽい → 好奇心旺盛
  • 意志が弱い → 柔軟性がある
  • 計画性がない → 臨機応変
  • 暗い → 落ち着いている
  • こだわる → 信念が強い
  • 太り気味 → 貫禄がある

どんな物事でも、視点を変えると何かしら前向きな面が必ずあるのです
自分の長所探しテクニックとして、リフレーミングが自尊心の改善に役立つと言われています。自分の欠点を見ているフレームを外し、別のフレームで自分の長所を見るのです。「自分は能力が低いから…」「本当にわたしってダメだなぁ…」などと自分を卑下したり、人と比べては「どうせわたしなんて…」「あの人は〇〇なのに、自分には何もない」などと悲観したりしていませんか?自分の悪い面ばかりを気にするのではなく、いつもとは異なる視点から自分を眺めてみましょう。

自分をマイナス評価してしまう自尊心の低い人とは

一般的に「自尊心」は、自分をプラスに評価する感覚として知られています。社会心理学者のロイ・バウマイスター(Roy F. Baumeister)氏は、1998年に自尊心を “自己への肯定的評価”と定義しました。したがって「自尊心が低い」ということは、自分をマイナスに評価する感覚を指すことになります。

【自尊心が低い人の特徴】

・つい他者と、自分を比べてしまう

・他人をうらやましく思ってしまう

・嫉妬の感情を抱きやすい

・自分にないものを必要以上に求めてしまう

・物事のデメリットばかりに目がいく

・自分の欠点ばかりをとらえてしまう

・他者の悪い部分に目が向いてしまう

また2000年の研究では、次の比較的「ネガティブな要素」と「自尊心の低さ」が密接に関わり合っていることが示されたとのこと。「恥ずかしがり」「不機嫌」「不安」「自分は無力だと考える」という特徴を見て「なんとなく当てはまる」「まさに自分のこと」と思った人もいるでしょう。少しでも当てはまる人は「リフレーミング」を試してみましょう。

  1. 1.ノートの左側に「自分の欠点や好きではない部分」を書き出す。
  2. 2.ノートの左側に「他者に感じる苦手な部分や嫌いな部分」を書き出す。
  3. 3.書いたものを、少しの間、眺めて見る。
  4. 4.書いたものの右側に「別の言葉に置き換えたもの」を書いていく。

メガネをかけ直すように、これまでのネガティブな枠組みを外し、違う枠組みをセットして視点を変えて言葉にしていきます。実際にやってみると、嫌なことに対してこだわっている自分に気づくことがあると思います。しかし、何度も行ううちに考え方が柔軟になり、いろいろな角度から考えることができるようになっていくはずです。