人生最期の安心を手に入れた私

最期の1%まで幸せに生きる【 連載 No.11 】

今回は自分自身の事を書いてみよう思います。
私は5人兄弟の3番目に生まれ育ちました。
姉や兄、妹は優秀で、できの悪い私は劣等感の固まりでした。
どうせ私なんか…が口癖でした。
そんな私が唯一、人から褒められた事は面倒みがいい所でした。
年下の妹やいとこの面倒をみては、褒められていました。

そして、おばあちゃん子の私は、おばあちゃんの病気を機に看護師と言う職業に出会った。
初めて出会った看護師さんのイメージが優しくかっこよく、小学校4年生の私の目には映りました。
真剣に看護師を目指すようになったのは、高校生になってからでした。

看護師になりたい一心で勉強も頑張り、そんな私は夢を叶え、看護の道に進みました。
ただ、看護の道は決して、優しく、面倒見が良いだけで務まるものでもなく、沢山の壁にぶつかり、長い間、夢見て憧れていた仕事であったのに…何度も辞めたい、私には合ってない…と挫けそうにもなりました。

しかし、続けられたのは、やはり、人が好きで、私にもありがとうと言ってくださる患者さんが沢山いてくださったおかげでした。
ただ、どんなに、助けたいと思っていても亡くなる人がいると無力感に苛まれました。
今年で看護師歴34年を迎えた私はこれまで、何万人の方と出会い、また、亡くなる方を見届けて来た事でしょう。
看護師歴34年の中で、一番価値観が180度変わったのは、死に対する考え方と関わり方だと言い切れます。
私は、死に対して恐れと不安しかなかった時代がありました。
それは、病院で亡くなり逝く人を見送る看護師時代でした。
人は苦しみ、あがき、痛みを受けないと最期を迎えられないのだと思っていたからです。

しかし、それは、一定の理由があるからだ!と言う事が、自然の看取りを実際に経験して変わりました。
人はこんなにも、穏やかで苦痛なく、静かに、暖かい空気感の中、逝く事が出来る事を知ったからです。
これは私が10年以上関わった全ての看取りの方に言える事でした。
これを知り、死への恐怖心や不安が無くなり、自分の最期は自分で決める事を考えて、エンディングノートに書き記してからは、人生最期の安心を手に入れる事が出来ました。
これは、私だけでなく、エンディングノートを一緒に書き記した仲間達も共通認識となっています。