ビジネス こころと体の健康増進室【 連載 FILE 012 】
RAS効果とは
RAS効果とは、「その人が持つ関心事に対して、脳は情報を集めるのに鋭敏になる」というものです。RASとはReticular Activating Systemの略語で、脳幹から放射状に出た神経細胞ネットワークの網目状になった部分のことです。
このRASは、意識の選抜能力を持つ「情報の門番」ともいうべき存在で、外界から入ってくる情報を「これはいらない」「これは必要」と取捨選択しているといわれています。
例えば、電車の中でワクワクしながら読書していると、どんどんと周りの音が耳に入らなくなっていき、ついには自分の世界に入り込み、危うく乗り過ごしてしまったという経験はありませんか?
まさにこれがRAS効果です。
RASが必要な情報(楽しみな小説)だけを招き入れ、その他の雑音を「余計なもの」として排除していくために生じる現象です。
RAS効果のメリット
考えたことが現実になるなら、良いことだけが起こってほしいですよね。
スポーツ選手が試合前にイメージトレーニングをしている様子を見たことがあるでしょう。
イメージトレーニングは、本番のパフォーマンスに本当に影響があるといわれています。
仕事でうまくいきたいのならうまくいくイメージを、仲良くなりたい人がいるのなら仲良くなるイメージを思い描くことで、現実にその結果を引き寄せやすくなるのです。
RASは、さまざまな情報の中から好奇心や価値を見いだしているものに関する情報を自動的に取捨選択し、意識に伝達してくれます。
良いことが立て続けに起こったり、調子が良い時に乗りに乗ったりできるのは、RAS効果が良い方向に働いているからなのです。
RAS効果のデメリット
RAS効果のデメリットは、悪いことも引き寄せてしまうことです。
あなたがネガティブなことを考えると、脳はネガティブな情報ばかりを集め始めて、現実にそれを叶えてしまいます。
つまり、「こうしたい、ああしたい」が明確でない人は、「こうなりたくない」「ああなりたくない」「これは嫌だ」「あれは嫌だ」が明確で具体的になってしまい、そのような人や情報、キーワードに反応し、結果的にネガティブな思考や状態を生み出しやすくなるのです。
脳は自分のイメージを素直に叶えてくれるため、ネガティブがネガティブを引き寄せ、その連鎖から抜け出せなくなることもあるのです。
人生はマインドで決まる
RAS効果に代表されるように、人生はほぼマインドで決まります。
仮に、出来事の結果の原因で例えると、2割が行動で、8割がマインドといっても過言ではありません。
マインドが変わると行動が変わります。
行動が変わると結果が変わります。ポジティブなことを考えるとポジティブな出来事を引き寄せ、ネガティブなことを考えるとネガティブな出来事を引き寄せるのです。
脳には、「期限に間に合わせようとする力」が備わっています。
スポーツの試合などで、制限時間直前になってヒートアップする場面を見たことがあるでしょう。
例えば、野球でいう「9回裏、土壇場の逆転劇」です。
これは、期限があると目標への集中力が高まって、結果を出そうとするからなのです。
どんなに些細な目標であっても、期限や制限を必ず設けることで結果が出るようになっていきます。
また、脳は「その人が達成できること」しかイメージしません。
イメージできるということは、もうすでに目標を達成するのに必要な資質が備わっているのです。
RASを味方につける明確かつ具体的な目標を持ちましょう。
そして、夢を実現させましょう。
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C-POWERグループ教育訓練事業部長。教員免許保有。障害のある方が、社会の中でどのように自立して生きていくかを一緒に考え、提案・サポートをしています。
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