令和4年の税制改正
少額の減価償却資産(10万円未満や30万円未満の資産)の経費化に注意!!

ITに強い敏腕若手税理士のすぐ使える旬な税ニュース【 連載 第10回 】

毎年ある税制改正で、新設される制度や制度の条件緩和だけでなく、要件を厳しくし今までと同じ条件では使えない税制となるなど、制度によって改正の影響は様々です。

令和4年の税制改正で、注意すべきものとして、10万円未満の資産の経費化があります。

通常、減価償却資産と呼ばれるもの(建物や機械装置など棚卸資産以外で減価償却費の計上をする固定資産をいいます。)は、法定耐用年数をもとに時の経過とともに経費化(減価償却)を行います。

ただし、使用する期間が1年未満のものや取得価額が10万円未満のものは、特例として購入使用した年度にその全額を消耗品費として経費化を行うことができます。

さらに、中小企業者等に該当する事業者については、10万円以上の資産であっても、30万円未満の資産を取得し使用した場合は、一定の要件を満たすことで全額を経費として処理ができます。

よく耳にする30万円未満であれば、経費にできますというのは、この特例のことです。

多くの事業者が10万円未満の特例や30万円未満の特例を適用して確定申告をしています。

この特例を活かして、30万円未満のドローンを購入し、ドローンの取得費用を取得使用した年に経費化し、レンタル用品として、他社他人に貸付けを行い数年間にわたり、収入を得るという手法を用いたドローンレンタル節税やこれに似た足場レンタル節税と呼ばれるものが、ここ数年増えました。

そこで、その防止策として改正がされます。具体的には、主要な事業として使用する資産でない場合は、この特例を適用できないものとなります。

つまり、貸付事業を本業としていない事業者が、貸付を行うために購入した資産に関しては、取得費用の全額を取得した年に経費化できなくなります。

また、20万円未満の資産については、3年間で経費化を行う一括償却資産という特例も同様に改正されます。

本業とは異なる、いわゆる副次的な収入を得るために取得した少額な資産はすべて一発で経費になるものではないのでご注意ください。