ヒートマップの便利な活用方法とおすすめツールを紹介!

Webサイトを訪問したユーザーの平均滞在時間や離脱率はアクセス解析サービス「Google アナリティクス」を使えば確認することができます。
しかし、ユーザーはページのどの部分に興味を持ち、どこで興味を失ったかなどを知ることはできません。
もしそれがわかれば、コンテンツを改善しコンバージョン率を高めることができます。
今回は、ヒートマップの便利な活用方法とおすすめツールを紹介します。

1.ヒートマップとは

ヒートマップとは、Webページを訪れたユーザーの取った行動を色で表現したものです。
数値や言葉ではなく色で表現されているため、視覚的に判断しやすいことが特徴です。

ヒートマップでわかることは、次の3つです。

  • 読了箇所と離脱箇所(スクロールヒートマップ)
  • 熟読されている箇所(アテンションヒートマップ)
  • クリックされている箇所(クリックヒートマップ)

これらのことから、ユーザーがページのどこの部分に興味を持ったか、または興味を失ったかを判断することができます。

2.ヒートマップを使う目的

ヒートマップを使う目的は、大きく2つあります。

LPのコンバージョン率の改善

検索結果や広告を経由してアクセスしたページ(ランディングページ:LP)で、コンバージョン率(Webサイトを訪れたユーザーのうち、購入や問い合わせなどそのWebサイトの最終成果に至った割合)を改善したい場合、ヒートマップが役立ちます。

例えば、スクロールヒートマップでは読んでほしい部分までスクロールされていない、アテンションヒートマップではページの下部に熟読箇所がある、クリックヒートマップでは意図していない部分でクリックされているなどといった問題点を視覚的に把握できます。
これらの情報を基に、UI(ユーザーインターフェイス)を改善していきます。

ユーザーの満足度と検索順位の向上

ヒートマップはSEO対策にも活用できます。
ヒートマップで得られた情報を基にWebページを改善すれば、ユーザーの満足度は向上します。
これにより、離脱率、滞在時間、読了率といった数値が改善され、Googleの評価の向上につながり、SEO対策になるわけです。

3.ヒートマップの活用方法

熟読部分を改善に生かす

アテンションヒートマップを確認し、ユーザーがページのどの部分を熟読しているかを確認します。

熟読されている内容を掘り下げる

熟読されているということは、そこにはユーザーが求めている情報が書かれているということです。
この内容を掘り下げることでユーザーの満足度は向上し、さらに多くのユーザーに情報を届けることができます。
熟読する情報量が増えることで滞在時間が伸び、SEO対策にもつながります。

熟読部分をページ上部に移動する

ページを最初から最後まで読むユーザーはあまり多くありません。
興味のないところは読み飛ばすことの方が多いでしょう。
もしページ上部に興味のない内容があったらページを離れてしまうかもしれません。
そこで、熟読されている部分をページ上部に移動させることは、ユーザーの興味を引き、読了率を高める1つの方法と言えます。

熟読部分の近くにCTAを置く

CTAとはCall To Actionの略で、行動喚起という意味です。
例えば、資料請求や会員登録といったボタンを表示し、Webページの訪問者を具体的な行動に誘導する役割を持ちます。
熟読部分はユーザーが興味を持って読んでいる部分なので、その近くにCTAを置くことでクリック率を高め、次の行動に誘導しやすくなります。

離脱部分を改善に生かす

スクロールヒートマップを確認し、読了箇所と離脱箇所を確認します。
この時、CTA付近で多く離脱している場合は、CTAによってページ遷移したと考えられますので、問題ないと判断できます。
それ以外で急激に離脱している部分があれば、原因を分析して改善を試みる必要があります。
離脱するということは興味を失ったと考えられますので、無駄な情報を削除したり、熟読部分を加筆したりして内容を充実させます。
ページ上部で多く離脱している場合は、ページの読み込みスピードが遅くなっていないかを確認することも必要です。
読み込みに時間がかかるとユーザーはページを離れてしまう可能性が高いので、読み込むスピードを改善することが先決です。

クリック部分を改善に生かす

クリックヒートマップを確認し、ユーザーがどこでクリックしているかを確認します。
ページ内に内部リンクを多く配置している場合、たくさんクリックされているリンクの周辺には、ユーザーが興味を持っていることが書かれていると判断できます。
一方、クリックが少ない場合はあまり興味を示していないことになりますので、SEO対策の意味でも文章を改善する必要があります。
CTAのボタンがあまりクリックされていないようであれば、周辺の文章を修正する、設置箇所を変更するなど工夫します。
また、リンクだと認識されていない、リンクがあると勘違いされているケースもあります。
ユーザーの満足度を高める意味で、わかりやすいページ作成を心がける必要があります。

4.おすすめのヒートマップツール

ここでは、ヒートマップのおすすめツールを紹介します。
いずれのツールも、基本機能としてスクロールヒートマップ、アテンションヒートマップ、クリックヒートマップを備えており、パソコン、スマートフォン、タブレットといったマルチデバイスに対応しています。
また、条件は異なりますが、無料プランや無料トライアルが用意されているので、気軽に始めることができます。

User Heat

出典:User Heat

User Heat(ユーザーヒート)は、ヒートマップの定番ツールです。基本機能に加え、ページがどこからどこまで読まれたかを示す「終了エリア」と、マウス操作を確認できる「マウスムーブ」という機能を備えています。
すべての機能を無料で使うことができますが、分析できるのは30万PV/月までで、それ以上は測定されません。
もし自社のWebサイトが上限を超えるようであれば、有料版の「User Insight」(ユーザーインサイト)の利用をご検討ください。
User Insightでは、ヒートマップ以外に、SEOや広告分析の機能が備わっています。

提供会社

株式会社ユーザーローカル

利用条件

30万PV/月

MIERUCA HEATMAP

出典:MIERUCA HEATMAP

MIERUCA HEATMAP(ミエルカヒートマップ)の無料プランは3,000PV/月まで、かつ1ドメインであれば無期限で利用できます。
有料プランは5種類あり、自社の規模に合わせてプランを選ぶことができます。

提供会社

株式会社Faber Company

無料プランの条件

3,000PV/月
登録サイト数:1
登録URL数:1
使用可能アカウント数:1
データ閲覧可能期間:30日

有料版

5種類(10,780円〈税込〉〜)

Ptengine

出典:Ptengine

Ptengine(ピーティーエンジン)は、15万社以上の利用実績があります。
GOOD DESIGN賞を受賞していることもあり、使いやすさに定評があります。
無料プランで分析できるページは1つまで、3,000PV/月までです。有料プランは4種類用意されており、自社サイトの規模や追加したい機能に応じて有料プランを検討しましょう。

提供会社

株式会社Ptmind

無料プランの条件

3,000PV/月
100イベント/月
データ保存期間:1カ月
コンバージョン設定数:3
ページグループ設定数:1

有料版

4種類(5,478円〈税込〉〜)

5.まとめ

ヒートマップはページにおけるユーザーの行動を可視化するだけでなく、そこからユーザーが真に求めている情報は何かを分析することが可能です。
さらに、分析結果を参考にしてコンテンツの質を高められることから、Webマーケティングにおいて欠かせないツールと言えるでしょう。