知っておくべきインボイス制度とは?いつからはじまるの?対策は必要なの?

ITに強い敏腕若手税理士のすぐ使える旬な税ニュース【 連載 第5回 】

消費税のインボイス制度という言葉を耳にしたことはありますか? もうすでに登録された方もいるのではないでしょうか。

令和5年10月よりインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されます。その準備期間として、令和3年10月から登録事業者の受付がスタートしました。この制度は取引の売手だけでなく、買手にも影響があります。

まずは、売手について説明します。商品を販売したり、サービスを提供したりした場合には、受け取る対価と併せて10%の消費税をいただくことになります。その販売などをしたお店は、登録事業者の登録が必要になります。
登録すると登録事業者番号が交付され、請求書に登録事業者番号を記載することができます。これがインボイス対応の請求書である適格請求書です。

これだけを見ると手間が増えるだけのようですが、この適格請求書を交付してもらわないといけない方々がいます。それは、商品を購入したり、サービスを受けたりしたお客様が、消費税の申告を行う法人や個人事業主です。

次に、その買手について説明します。消費税は、売上に係る消費税から仕入や経費に係る消費税を差し引いた額を国に納める仕組みになっています。この仕入や経費に係る消費税は、簡単に言うと、相手が消費者であろうと会社であろうと気にせず計算することが可能です。

ところがインボイス制度が始まると、登録事業者から商品を購入したり、サービスを受けたりした場合に交付される適格請求書の分だけに限定されます。そのため、消費者や登録事業者でない会社などから交付を受ける請求書や領収書では、仕入や経費に係る消費税は認められなくなります。

まとめると、売手は買手である得意先などに応じて登録事業者になる必要があります。また、買手は自社の消費税の申告に当たり、適格請求書とそれ以外に分けて消費税の計算をすることになります。

次回から数回に分けて、このインボイス制度について説明します。