自己肯定感を高めよう

ビジネス こころと体の健康増進室【 連載 FILE 005 】

自己肯定感とは、自分自身を認めたり自分の価値を感じたりする感情や「自分には価値がある」「私は大切な存在だ」と思う気持ちのことです。

例えば、仕事や家事で小さなミスをしてしまった場合、反省をしても次第にいつもの感情に戻り、前向きに生活できるようになるなど自己肯定感が働くことで自分を許すことができるようになるのが普通です。

しかし、過去に辛い経験があったり、反対に過保護に育てられたりすると、自己肯定感が十分に働かないケースもあります。
仕事や家事などで自分を否定してしまう場合は、自己肯定感の低さに問題があるのかもしれません。

自己肯定感が低い人・高い人の特徴

何事も否定から入ってしまう

新しい出来事に対して、否定的な感情などが先に出てしまい前向きに捉えられない場合は、自己肯定感の低さと関係していることがあります。

やればできるという感情(自己効力感)が低いため、「自分にはできないこと、レベルが高過ぎる」といった考え方となるのが特徴です。

また、過去の失敗などにより最初から「無理」と考えてしまうと気力が湧かないため行動に繋がりません。

他人に依存している

主体的に自分で決めようとせず、誰かに判断を任せるのも自己肯定感の低い人の特徴です。

その一方で、友達や先輩・上司などへ依存することによって、問題が起きても自分の責任ではないと考える傾向もあります。

他人や社会に役立っているという意識をもちにくい

自己肯定感が低いと、他人と協力して何かを頑張るという気持ちが弱くなります。
自己肯定感は誰でももっていますが、高まったり低くなったり日々多少の変化があります。

しかし、過去の経験や環境によって、自己肯定感が低いままになってしまっているケースでは、改善に向けた取り組みも大切です。

自己肯定感が高い人の特徴
・承認欲求が低い
・素直に他人のいいところを認めることが出来る
・自分の在り方・考え方に肯定的したいことが常にある

国立青少年教育振興機構が行った、日本・アメリカ・中国・韓国の高校生を対象とした調査結果でも、「自分はだめな人間だと思うことがある」という質問に対して、日本人の72.5%が「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答したそうです。
これは、中国(56.4%)、アメリカ(45.1%)、韓国(35.2%)と比べると、日本(72.5%)と突出して高い結果でした。
(参考:「高校生の生活と意識に関する調査(平成27年度調査)」より)

10年間毎日健康を意識して健康食品やビタミン剤を摂取している人も、たったひとさじ毒を飲んでしまえば、あっという間に健康は害されます。それと同じくらい 自己否定は強いネガティブパワーを持っています。
まずは、自己否定をやめることが大切です。

自己肯定感を高めるコツ

自分自身を認めて満足する状態である自己肯定感を、普段の生活で深く考える機会は少ないかと思います。しかし、自己肯定感は人生を楽しむためにはとても大切な要素です。

現状を認めることから始める

自己肯定感が高い人にとっては、自分を認めたり前向きに考えたりすることは簡単な話です。
しかし、自己肯定感の低い人の場合は、何事も否定的に考えるパターンに陥っているため、すぐに前向きに考えるように意識を変えることは現実的ではありません。

まずはネガティブな感情をもっていることから目を背けず自分と向き合ってみましょう。

環境を整える

今置かれている環境によって自己肯定感が低くなっている場合は、自分ではなく環境を変えてみることも大切です。
例えば職場でどうしても自分と合わない人がいる場合、転職も視野に入れて準備してみることも1つの対処方法です。

原因が過去の経験などではなく現在の環境なのであれば、その環境を変えることを考えてみましょう。

失敗を否定しない

仕事や家事などで失敗することもあるでしょう。
しかし、反省し過ぎたり否定し続けたりせず、今の自分自身を認め、褒めて少しずつ自己肯定感を高めます。

誰でも新しいことにチャレンジして1回や2回は失敗していると考えてみましょう。
そして、失敗したことよりもチャレンジしていることに目を向けて取り組みを続けることを大切にしてみましょう。

まとめ

日常生活の中で心がザラっとしたら、自分の本当の気持ちを無視してしまっている証拠です。
自己肯定感を高めることは、自己信頼感を高めることでもあります。自分の事を大切にする、そうすると自然に相手のことも大切にできるようになっていきます。
まずは自分軸で生きるということをやってみるといいですね。