ITに強い敏腕若手税理士のすぐ使える旬な税ニュース【 連載 第6回 】
今回も引き続きインボイス制度について解説します。
前回は、インボイス制度が与える今後の影響を説明しました。
今回は、インボイス制度の適格請求書発行事業者について説明します。
インボイス制度による適格請求書の発行は、登録申請を行い登録事業者になることで可能となります。
この登録事業者のことを、適格請求書発行事業者と言います。
登録事業者には登録番号が付与され、適格請求書を発行することができるようになります。
では、自社が登録事業者となるべきか分かりますか。
基本的には、消費税の申告を行っている課税事業者の場合と、消費税の申告を行っていない免税事業者の場合に分けて考えます。
特に問題となるのは、自社が免税事業者の場合です。
- 課税事業者の場合
自社が課税事業者の場合は、基本的には登録事業者に登録することになります。
特殊な事情がある場合を除き、税務上のデメリットはなく、取引先にとっても以前と変わらず取引をすることになります。 - 免税事業者の場合
免税事業者が登録事業者に登録をするための前提として、課税事業者になる必要があります。
つまり、登録事業者になるためには、消費税の申告と納付を行うことになり、納税負担が増加します。
それでも、今後は登録しておくべき場面が出てきます。
例えば、取引先から適格請求書の発行依頼があったり、登録事業者にならなかったことで価格調整の依頼があったりした場合です。
買手である取引先は、インボイス制度に対応した適格請求書の交付を受けていないと消費税の計算で不利になるため、適格請求書の交付の依頼や値下げの要求、最悪のケースとしては取引の中断を依頼される可能性があります。
このように、自社の納税負担の増加を懸念して免税事業者のまま適格請求書を発行しない場合には、売上の減少につながる可能性があります。
そのため、納税負担の増加と取引件数や取引額の減少による売上の減少を比較し、課税事業者となるか否かを選択する必要があります。
登録期限までには検討しましょう。
SMC税理士法人
大学在学中に税理士を目指し、23歳で税理士官報合格。SMC税理士法人に入社後、税理士登録し、現在に至る。
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