ビジネス こころと体の健康増進室【 連載 FILE 014 】
VUCAとは、4つの単語の頭文字をとって作られた「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味する単語です。
- V(Volatility:変動性)
- U(Uncertainty:不確実性)
- C(Complexity:複雑性)
- A(Ambiguity:曖昧性)
元々は1990年代後半に軍事用語として発生した言葉ですが、2010年代に入ると、昨今の変化が激しく先行き不透明な社会情勢を指して、ビジネス界においても急速に使われるようになりました。
現代は、テクノロジーの進化によって、あらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にあることから、「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれています。
想定外の出来事が次々と起こる
昨今は、経済やビジネス、個人のキャリアに至るまで、ありとあらゆるものが複雑さを増し、将来の予測が困難な状態にあります。
例えば、グローバルの流れに目を向けても、様々な国の政治の先行きが不透明であり、今までやってきたことやスタンダードだと思われてきたことが、ここにきて崩れていっているような気さえします。
さらに、新型コロナウイルスの流行や、地球温暖化に伴う気候変動や異常気象、台風や地震といった災害など、予測が困難な事象が次々と起こっています。
また、日本や先進国では、少子高齢化が深刻な問題として取り上げられています。
働き方においても、従来の日本の企業では当たり前だった終身雇用や年功序列といった制度もなくなりつつあり、人材の流動性も高まっています。
これらの事象が今後、世界や日本社会、個人にどう影響を及ぼしていくか、すべてを見通すことは難しいでしょう。
VUCA時代を乗り切るために必要な3つのスキル
- テクノロジーの理解と情報収集力
- 自分の頭で考える力
- ポータブルスキル
1.テクノロジーの理解と情報収集力
変化の起点であるテクノロジーの理解は必須です。
それが自社の業界や自分のキャリアにどう影響するかを押さえ、 危機を感じたら先手で身の振り方を考えておきましょう。
2.自分の頭で考える力
「AIに人間の仕事が奪われる時代が来る」といった話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
オックスフォード大学の調査結果によると、10~20年後には日本の労働人口の半数が就いている職業がAIやロボットに代替されると推計されています。
一方で、AIは万能ではなく、これまでにない課題を解決する仕事(=過去のデータがないもしくは不十分な仕事)や、数値化できない人間の感性や経験に基づく創造的なアイデアを生み出す仕事については不得意です。
AIとの共存社会がやってくる中で、私たちは人間にしかできない「考える力」にフォーカスし、高めていく必要があります。
3.ポータブルスキル
VUCA時代には、誰もが”もしも”に備え、「ポータブルスキル」を磨く必要があります。
「ポータブルスキル(=”持ち運び可能な”スキル)」とは、特定の業種や職種、時代背景に囚われることのない、汎用性の高いスキルのことです。
あらゆるビジネスパーソンにとって重要な「ビジネス基礎力」とも言えるかもしれません。
ポータブルスキルを高いレベルで身につけている人材は、どの会社でも必要とされる「市場価値の高い人材」です。
VUCA時代は、「今までの延長線ではない時代」であることを意識して、積極的に情報収集し、キャリアへの備えをしていく必要があります。
しかし、変化の早い現在の状況に「どちらにメリットがあるか?」という判断基準では、10年後・20年後にはメリットが無くなっている可能性が高いのです。
無数の選択肢の中から「どうすべきか?」は選びきれませんが、「どうしたいか?」という心の基準であれば選ぶのは簡単です。
VUCAな世界とは違って、私たちの内側の世界は大きくは変わりません。
「どうすべきか?」というメリット・デメリットを気にしてばかりいても答えは見つかりません。
状況が変われば決断が変わってしまうからです。
自分の判断基準を外側にある「他人軸」に頼るのではなく、内側にある「自分軸」に切り替えなければいけません。変化の激しい時代だからこそ、自分の中にブレない軸を持つ必要があります。
一時的に努力することは100メートル走では有効です。しかし、マラソンに例えられる人生では途中で息切れせずに好きなことに「夢中」になり続けている必要があるのです。
短い勝負では「努力」も有効な戦略ですが、長期的な勝負において「努力」は「夢中」には勝てません。
成功したいからお金が稼げそうなことをするのではなく、成功したいから好きなことをするという選択肢も必要ですね。
あなたも「夢中」という最強のモチベーションを手に入れて、息切れしない働き方をしてみませんか?
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C-POWERグループ教育訓練事業部長。教員免許保有。障害のある方が、社会の中でどのように自立して生きていくかを一緒に考え、提案・サポートをしています。
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