ビジネス こころと体の健康増進室【 連載 FILE 008 】
みなさん「アサーション」をご存知でしょうか?
アサーションとは、主張はしっかり行いつつ相手も傷つけない、自分も相手も大切にする絶妙なコミュニケーション方法です。
今回は「アサーション」についてタイプや効果、アサーショントレーニングのポイントをわかりやすく解説します。
アサーションとは
コミュニケーションは、「伝える力」と「聞く力」の2つがポイントとなります。
伝える力にこだわれば、主張が強過ぎる人間に映ってしまいます。かと言って、聞き手に回ってばかりでは伝えるべきことが伝えられず、チャンスを逃がしてしまいますね。
自分と相手の双方を大切にするという「円滑さ」に焦点を合わせたコミュニケーション方法がアサーションです。
自己主張のパターン
自己主張のパターンをタイプ別で考えてみましょう。
【いばりんぼうタイプ】
アグレッシブこと攻撃タイプの特徴
- 思ったことをズバズバ言ったり、大声を張り上げたりと主張が強い
- 自分の意志を全うするためであれば、明確な悪意が伴うこともある
- 勝ち負けで物事を決める(いわゆるマウンティングを好み、常に優位に立とうとする)
【精神的に幼いタイプ】
ノン・アサーティブの特徴
- 自己主張が控えめ、もしくは苦手
- 物静かな性格といった印象
- 曖昧な言い方でかわすことを好む
- 言い訳が口癖になっている
【優等生タイプ】
アサーティブの特徴
- 自分の気持ちを率直に伝えつつなおかつ相手の気持ちも考えられる
- 場の空気を重んじる
- 適宜表現をチョイスできる
- アサーティブ型を人に勧められる
アサーションの効果
アサーションスキルを身に付けると、価値観や立場の違うさまざまな関係者と対等な意見交換ができるようになります。
自分の意見や要求を主張しながらも相手と良好なコミュニケーションがとれると、信頼関係が築きやすく組織としての生産性の向上も見込めます。働く上で、人間関係に悩んでいる人が多い現代では、アサーションが大きな注目を集めているのです。
しかし、コミュニケーションをとる際に、ストレスを感じてしまう人も少なくありません。このストレスは、言いたいことを我慢し続ける、自分のアイデアがなかなか伝わらない、自分の意見を聞いてもらえないといったことから生まれると言われています。
どうしても「場の空気を乱したくない」「自己主張をしたら相手を傷つけるかもしれない」といったコミュニケーションに対するブレーキが働き、発言を控える人も多いでしょう。これではストレスが溜まるばかりですね。
アサーションは、相手を思いやりながら、自分の意見をしっかり伝えるコミュニケーション方法です。「言いたいことが伝わらない」「相手に対して遠慮し過ぎてしまう」といったコミュニケーションのストレスが軽減できるので、人間関係のストレスも比例して軽くなっていくでしょう。
アサーショントレーニングのポイント
- アイメッセージで伝えましょう ※自分を主語にして話しましょう
- 自分の気持ちや状況を伝えましょう
- 否定的にならず、代替案を出しましょう
- 素直な気持ちを伝えましょう
- 相手の思いを聞きましょう
アサーティブを身に付けるには、自分のことだけを考えるのではなく、相手の考えや気持ちを尊重する意識を持つことが大切です。つまり、「相手の目線に立つ」ことが大切なのです。
今後の日本は、社会のグローバル化が進み、多様な人ともっとやり取りをすることになっていきます。アサーティブなコミュニケーションを意識して、自分も相手も大切にしていきましょう。
C-POWERグループ
C-POWERグループ教育訓練事業部長。教員免許保有。障害のある方が、社会の中でどのように自立して生きていくかを一緒に考え、提案・サポートをしています。
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