最期の1%まで幸せに生きる【 連載 第1回 】
皆さんは、新型コロナウイルスが日本国内で広がりはじめてからの1年半、生活が一変しましたか?
それとも全く変わりませんか?
少なくとも何らかの変化はあったのではないでしょうか?
統計によると、80%以上の人が過去最も生活の見通しに対して不安を抱えていると出ています。
私たちは、どうすることもできないことにくよくよすることが多くあります。私もその1人でした。
コロナ禍が始まった頃はストレスを感じずにいられませんでした。
しかし1つの言葉に出合い、今を大切にし、自分の使命を果たすことを考えるようになりました。
その言葉は、マザーテレサの「人生の99%が不幸だとしても最期の1%が幸せならばその人の人生は幸せなものに変わる!」でした。
最期の1%が不幸だと…余計なものにつながれ、あがき、苦しみの中で最期を迎えます。
しかし、マザーテレサの死を待つ家では、愛と温かさの中に包まれ、幸福の中で逝くのです。
この言葉を実感できたのは、10年前から私自身が経営する施設で看取り(自然死、平穏死)をしてきたからです。
病院勤務時代には考えもしなかった、厳かで、温かく、穏やかな死がそこにはありました。1人の漏れもなく、皆さんすっぽりと当てはまるのです。
どうして、病院の患者さんはあがき、苦しむ方が多かったのか? この謎もわかってきました。
私は今、看取りに取り組むと同時に、兼ねてから不思議で残念に思っていた、エンディング(終活)についても考えて行動を始めました。
人は自分の生き方は考えるのに、なぜ自分の逝き方は考えないのだろう?
1000%いつか来るのに…。
私の周囲の高齢者(高齢者だけではありませんが…)は自分のことを不老不死だと思っているのでしょうか?
あるいは、死を考えるのが怖いのかもしれません。しかし、100%来るものに対して向き合う勇気を持ってほしいのです。
認知症になり、自分の意志を伝えられない方々をたくさん見させていただいて、いつも思っていたことがあります。
「この方はどうしたかったのか? 何も家族に伝えられなかったのか?」
2025年には、65歳以上の方の5人に1人が認知症になると言われています。
そのうち、がん患者を上回るとも言われています。
また、認知症に限らず、意思疎通できるうちにきちんと自分の意思表示をすることは本人のためだけでなく、周囲(特にご家族)のためでもあると、長年医療と介護の世界にいて強く感じるのです。
よく遭遇するのが家族間のもめ事です。こんなことで家族がイライラしたり不仲になるのか!と驚くことがたくさんありました。
どんな葬儀をするのか?
いったん家に連れて帰りたい人、そうでない人。
お金の問題や今までの介護や関係性の不満を互いにぶつけることなど、亡くなった方を巡っていろいろな問題が起こることは少なくないのです。
今こそ自分の最期を考える時期が来ていると捉えて、行動を起こすことをお勧めします。
有限会社ひなたぼっこさと 代表取締役
看護師として総合病院勤務。訪問看護などを経て17年前に起業。デイサービス・有料老人ホーム・保育園を経営する。
【有限会社ひなたぼっこさと】
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