運会計士の「目から鱗」経営【連載 第9回】
最近、還暦をすぎて感じることがあります。
多くの経営者と付き合っていて、「なぜ、こんなにも経営者の能力に差があるのだろうか?」ということです。
例えば、B/Sで最も重要な比率は当座比率と自己資本比率です。
P/Lで重要なのは損益分岐点分析・労働分配率・労働生産性です。
一部の経営者は何度教えても全くこれらの数値の計算ができないのです。
また、これらの経営者は節税、高級車購入などのやってはいけないことをやり、一方、早期の店舗閉鎖、遊休資産売却などのやらなければならないことをやらないのです。
そして、厳しい言い方をすれば、できない人は何をやってもできない、一方、できる人は何をやってもできるということです。
これを生まれつきの能力と言う人がいると思いますが、私は絶対に違うと思っています。
ところが、最近は能力のない人の共通点が見てきました。
それは次の3つです。
- 自分の納得できること・理解できることしかやらない(大した知識もないくせに!!)
- 素直でない(人から言われたことをすぐ実行に移せない!!)
- 読書をしない(中には「私は読書が苦手です」と戯言を言う人もいます)
①②は不治の病なので治らないです。
最近、こういう人は見捨てるようにしています。
③は本を読めば本当にさまざまなことを学べるのに、本の素晴らしさが分からないのです。
私はいろいろな人の話を聞くことが好きですが、それは時間的・場所的に限界があります。
しかし、本はいつでもどこでも読めるので、本からは無限に学ぶことができると思っています。
特に尊敬する稲盛和夫氏や永守重信氏のような面識もない人の考え方を知ることができる読書は、本当にすごいと思っています。本を読んで学んだことを実践すれば、無限に能力が向上すると思います。
読書をしない人は向上心がないために話をすると底が知れているというか、基礎学力がないというか、頭の中は小学生以下で体だけ大人になったというような気がして付き合いたくないですね。
『 社長の覚悟 』
2022年1月刊行
B6判 272頁 1,980円(税込)
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SMCホールディングス 強運会計士
公認会計士歴約40年、この間に5,000社以上の中小企業を見てきました。この経験から中小企業が発展していく「目から鱗」が落ちるノウハウを見つけました。
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