競馬から学ぶ所得種類の所得の計算

ITに強い敏腕若手税理士のすぐ使える旬な税ニュース【 連載 第13回 】

お笑い芸人の「じゃい」が、競馬で儲けた所得に対して多額の追徴課税処分(ペナルティ)を受けたことが話題になりました。
内容は、競馬で儲けた所得を「雑所得」として、競馬の当選金から「ハズレ馬券の購入費用を必要経費として処理」し、所得を計算し申告を行っていましたが、競馬で儲けた所得は、「一時所得(例外を除き)」で申告すべきものとして「当たり馬券の購入費用のみを必要経費として処理」すべきと税務署に指摘されたことで追徴課税がされたことです。

今回はこの雑所得と一時所得の経費の範囲について説明します。

雑所得とは、「利子所得、配当所得、…(中略)…譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得」(国税庁HPより)をいい、副業に係る所得などが該当します。
そして、雑所得の計算は、総収入金額から必要経費を差し引いた金額となります。
この必要経費は、その年に生じた販売費や一般管理費その他業務上の費用が該当します。

これに対し、一時所得とは、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」(国税庁HPより)をいいます。一時所得の一例として「競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)」(国税庁HP)とあります。
そして、一時所得の計算は総収入金額から収入を得るために支出した金額と特別控除額(最高50万円)を差し引いた金額となります。

この収入を得るために支出した金額とは、その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限られます。
お笑い芸人の「じゃい」の今回の事件を当てはめるとご自身が芸能活動の傍ら行っていた行為であることから雑所得として認識したのに対し、税務署は、一時所得として認識したためにハズレ馬券の購入代金分の経費の差が生まれたのです。