法人口座開設でおすすめのネット銀行は?審査のポイントや必要書類も紹介!

法人を設立した後、最初に準備しなければいけないものが法人の銀行口座です。法人口座をネット銀行で開設しておくと、実際に取引が始まり、代金のやりとりが発生した時にスムーズに振込が行え、とても便利です。また、都市銀行に比べてコストを低く抑えることができます。

今回は、ネット銀行で法人口座を開設するメリットを踏まえ、おすすめのネット銀行や、審査基準のポイント、必要書類について紹介します。

1.ネット銀行で法人口座を開設するメリット

三菱UFJ銀行や三井住友銀行といった都市銀行では、店舗の窓口以外にインターネットバンキングでの取引が可能です。わざわざ店舗に出向かなくても取引ができ、振込手数料も窓口に比べて安価です。

これでも十分に便利のように思われますが、ネット銀行で法人口座を開設するメリットとは何でしょうか。

・月額利用料が無料

都市銀行のインターネットバンキングを利用するには、約2,000円の月額利用料がかかります。そのため、月額使用料だけで年間約25万円のコストが発生します。

一方、ネット銀行では、基本的に月額利用料はかかりません。ネット銀行を利用すれば、大きな経費削減になります。

・振込手数料が安価

先述したように、都市銀行の振込手数料は窓口よりもインターネットバンキングの方が安価ですが、都市銀行のインターネットバンキングとネット銀行では、ネット銀行の方が安価です。

特に、ネット銀行の他行宛の振込手数料に関しては、かなり安いです。振込件数が多い場合は、経費を低く抑えることができます。

・24時間利用可能

都市銀行のインターネットバンキングは、窓口が閉まってからでも利用できますが、24時間利用可能なわけではありません。曜日によって利用可能な時間帯は異なり、大型連休の時には終日利用不可であることが多いようです。

その点、多くのネット銀行は24時間365日、曜日や時間帯を気にせず利用することが可能です。

2.おすすめのネット銀行

ここでは、おすすめのネット銀行を4つ紹介します。それぞれに特徴がありますので、自法人の特徴と照らし合わせて検討してみてください。

・GMOあおぞらネット銀行

参照:GMOあおぞらネット銀行

〈月額利用料〉

無料

〈振込手数料〉

同行宛て:無料
他行宛て:3万円未満 166円 (税込) / 件
     3万円以上 261円 (税込) / 件

〈特徴〉

2018年7月に誕生したネット銀行で、あおぞら銀行グループに属しています。
最近は固定電話を持たずに起業する法人が増えています。固定電話の有無を審査基準の一つにしている銀行もありますが、GMOあおぞらネット銀行では、固定電話がなくても口座を開設することができます。

また、印鑑も不要で、ネットで完結し、即日開設が可能です。

〈サービス〉

年会費無料、発行手数料不要、審査なしでVisaビジネスデビットカードを作ることができますので、立替清算の手間が省けます。その上、利用金額の1%がキャッシュバックされるためお得です。

そして、月額基本料1,980円(税込)の「振込料金とくとく会員」に申し込むと、他行への振込手数料は一律160円 (税込) / 件、提携先ATMの出金手数料が月5回まで無料、Visaビジネスデビットカード追加発行手数料が無料になります。他行への振込回数が多い場合は、振込料金とくとく会員を検討してみましょう。

・PayPay銀行

参照:PayPay銀行

〈月額利用料〉

無料

〈振込手数料〉

同行宛て:55円(税込)
他行宛て:3万円未満 176円 (税込) / 件
     3万円以上 275円 (税込) / 件

〈特徴〉

PayPay銀行は、2021年4月に「ジャパンネット銀行」から社名変更しました。
1つの法人(同一住所)で、合計20口座まで開設することができます。例えば部署ごと、ネットショッピングモールごとに口座を分け経費を管理することが可能です。

〈サービス〉

新規に口座を開設した場合、口座開設日の翌々月末まで振込手数料が月10回(他行宛て:5回/月、同行宛て:5回/月)無料になります。

また、前月の預金平均残高(円普通預金、円定期預金)が3,000万円以上の場合、振込手数料が同行・他行合わせて5回まで無料になります。

・住信SBIネット銀行

参照:住信SBIネット銀行

〈月額利用料〉

無料

〈振込手数料〉

同行宛て:50円(税込)
他行宛て:3万円未満 160円 (税込) / 件
     3万円以上 250円 (税込) / 件

〈特徴〉

三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資しているネット銀行です。

口座開設後は、デビットカードやスマホ決済サービス、クレジットカード、プリカチャージサービスがキャッシュレスで連携可能で、業務の効率化につながります。

〈サービス〉

振込手数料の優遇プログラムがあり、新規に口座開設をすると、当月および翌月の振込手数料が10回まで無料になります。その後は条件を満たせば、最大月20回の振込手数料が無料になります。

・楽天銀行

参照:楽天銀行

〈月額利用料〉

無料

〈振込手数料〉

同行宛て:52円(税込)
他行宛て:3万円未満 168円 (税込) / 件
     3万円以上 262円 (税込) / 件

〈特徴〉

言わずと知れた楽天グループのネット銀行です。2010年5月に「イーバンク銀行」から商号変更しました。専用アプリを使って、簡単に振込をすることができます。

用途に合わせて、20口座まで利用することが可能です。

〈サービス〉

楽天関連のサービスが多く、楽天スーパーポイント貯めて仕入れをすれば、経費を抑えることができます。

3.審査基準のポイント

法人口座開設の際の、銀行の審査基準のポイントについて紹介します。ただし、銀行ごとに独自の審査をしていますので、A行では開設できたがB行ではできなかったということも起こります。
そのため、ここで紹介することは一般的な審査基準であることをご了承ください。

・事業所の場所

どこで事業を営んでいるかが重視されます。バーチャルオフィスや、登記場所と実際に事業を行う場所が異なる場合、事業の実態がつかみにくいため口座開設を断られる可能性があります。

・事業内容

履歴事項全部証明書に、「○○もできる、□□もできる」「将来的にはこういうことをしたい」などと主な業務以外のことを記入すると、「何がしたいのかわからない」と不信感を持たれてしまうかもしれません。

そのため、事業実態が明確にわかる営業資料や事業計画書、ホームページといった資料を用意しておきましょう。

・資本金の金額

2006年5月に施行された新会社法により、資本金1円から株式会社を設立できるようになりました。しかし、これはかなり非現実的で、銀行からは信用は低いと判断され、口座に開設を断られる可能性が高いです。そのため、ある程度の資本金を準備しておく必要があります。

・固定電話の有無

GMOあおぞらネット銀行では、固定電話がなくても口座開設が可能です。しかし、どこで事業を営んでいるかを重視し、固定電話の有無を法人口座開設の要件の一つに設定している銀行もあるため、固定電話を準備しておきましょう。

4.必要な書類

法人口座開設に必要な主な書類は、次のとおりです。

  • 履歴事項全部証明書(会社謄本)
  • 印鑑証明書
  • 身分証明書
  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 株主名簿
  • ホームページ、事業計画書、パンフレットなど事業内容がわかる書類 など

銀行によって必要な書類は異なります。口座開設を予定している銀行に事前に問い合わせ、どのような書類が必要か確認しておきましょう。

5.まとめ

個人口座と異なり、法人口座はすぐに、確実に開設できるものではありません。審査に必要な事前準備や書類をそろえることは煩わしいと感じるかもしれませんが、ネット銀行のメリットを受けられるように、入念に準備して申し込みましょう。